My Message: April 30, 2012

松坂先生との思い出

菅野草苑撮影の燧ヶ岳の風景

松坂先生を偲んで:桜、椿、カラー 陶器(先生より受け継いだ花器)

私の親先生だった松坂草柴先生が亡くなりました。
長年にわたり、福島県の草月の中心として活躍なさった方です。
私は、長い間先生に指導して頂き、いろいろのことを学びました。植物を使って造形すること、変化させることの楽しさ、自由に制作することの面白さ、など、いけばなの奥の深さと幅の広さを教えて下さいました。

勅使河原蒼風先生がまだお元気だった頃、本部へ行って勉強するのもいいことと、松坂先生自身が本部教室へ連れて行って下さいました。
今、思いますと、草月流の創始者である家元先生に、直に教えを頂けたのは、本当に 宝物の思い出です。
松坂先生は、本部講師であった、お姉さんの志村慶子先生との二人展を福島で行ったり、志村先生と海外で活動したりと、いつも活発に、いけばな人生を送った方だと思います。
松坂先生は、背が高く、スマートな体型で、いつもファッショナブルで、色彩のセンスの良い服装で、お稽古して下さいましたが、このことも先生の魅力の一つでした。

こうして思い返しますと、弟子である私たちの個性を伸ばすという指導法であったこと、先生ご自身が魅力的であったことが、私が長くいけばなを続けてきたことの要因だったと実感しています。
私が教えられた、いけばなの美しさ、楽しさ、作る喜びを、次の世代に伝えること、それが、何よりの先生への恩返しだと思っています。
(2012年4月30日 福島県・郡山市)